「データエンジニアに資格は必要?」
「キャリアアップにつながるの?」
データエンジニアを目指す人の多くが悩むのが「資格は必要なのか?」という点でしょう。結論から言うと、資格は必須ではありません。ただし、未経験からの転職や、年収アップ・キャリアアップを狙う場合、資格は大きな武器になります。
そこでこの記事ではデータエンジニアの資格についてご紹介します。また、資格取得のメリットやデータエンジニアのキャリアパスも。ぜひ参考にしてください。

データエンジニアとは?

データエンジニアとは、企業内外のさまざまなデータを収集・蓄積・加工し、分析や活用ができる状態に整備する専門職です。
ビジネスの現場では、勘や経験ではなく「データに基づく意思決定(データドリブン経営)」が求められるようになりました。
しかし、データがバラバラで集計しにくい状態のままでは、分析は進みません。そこで重要になるのが、データ基盤を整えるデータエンジニアの役割です。
データエンジニアの主な仕事内容
データエンジニアの仕事は、ざっくり言うと「データを使える状態にすること」です。具体的には次のとおりです。
- データの収集・連携・蓄積(各システムや外部サービスからのデータ集約)
- データの加工・集計(整形・クレンジング・集約・正規化など)
- 分析に使える形式への変換(DWH・データマート・BIへの連携)
また、組織規模が小さい現場や人員が限られる環境では、データエンジニアが簡単な分析やレポート作成まで兼任するケースもあります。担当範囲が広くなりやすい職種という点も特徴です。
データエンジニアに求められる主なスキル

プログラミングスキル
Python、SQL、Shell などを用いて、データの取得・加工・集計・ロードを自動化するスキルは、データエンジニアの基礎体力です。実務では「コードが書ける」だけでなく、例外処理やログ出力、再実行を前提とした設計ができるかが重要になります。
バッチ処理やデータパイプラインを安定稼働させるためには、壊れにくく、トラブル時に原因を追いやすいコードを書く意識が求められます。
データベース設計・管理スキル
MySQL や PostgreSQL などの RDB、MongoDB や Cloud Bigtable などの NoSQL を理解し、用途に応じて使い分ける力が必要です。
テーブル設計や正規化、インデックス設計といった構造理解に加え、性能劣化時のチューニング、権限管理、バックアップ運用まで含めて「データを安全に長く使う」視点が求められます。

土台が弱いと、後工程の分析や BI 全体の品質に直結します。
ETL / ELT に関する知識と運用スキル
複数のシステムからデータを取り込み、形式を揃え、業務で使える形に変換する ETL / ELT はデータエンジニアの中核業務です。
単発のデータ連携ではなく、日次・月次で安定稼働させるためのジョブ設計や、リラン・エラー時の対応方針まで含めて考えられることが重要です。DataSpider、AWS Glue、GCP Dataflow などのツール理解もこの領域に含まれます。
ワークフロー管理スキル
Apache Spark などの分散処理基盤や、Apache Airflow、dbt を用いて、複雑な処理を順序立てて制御するスキルです。
処理の依存関係整理、失敗時のリトライ設計、処理時間の最適化など、「大量データを止めずに流す」ための設計力が求められます。データ量やシステム規模が大きくなるほど、このスキルの重要性は高まります。
クラウドサービス活用スキル
AWS、GCP、Azure などのクラウド環境で、データ基盤を構築・運用する力は現在のデータエンジニアには必須です。
Redshift や BigQuery などの DWH、Glue や Dataflow といった処理基盤を理解し、コスト・性能・運用負荷を踏まえて設計できることが評価につながります。
オンプレミスとは異なる「スケール前提」「従量課金」の考え方に慣れることがポイントです。
データ品質管理・ガバナンススキル
データの正確性・信頼性を維持するための仕組みづくりも重要な役割です。
欠損値や重複データの検知、整合性チェック、ログ・監査証跡の管理、アクセス権限やセキュリティ遵守など、「安心して使えるデータ」を守る視点が求められます。



この領域が強いエンジニアは、業務部門からの信頼が非常に高くなります。
システム設計・インフラ構築スキル
個別の処理だけでなく、データ基盤全体をどう構成するかを考える力です。CI/CD による自動デプロイ、監視・アラート設計、障害時の切り戻しや復旧手順など、安定稼働を支える仕組みづくりが含まれます。
設計視点を持てるようになると、エンジニアとしての評価レンジは一段上がります。
BIツールを使ったデータ可視化スキル
Power BI、Tableau、Looker などの BI ツールは主に分析側で使われますが、基盤理解のあるデータエンジニアが関与できると大きな強みになります。
「どのように集計され、どう見せると業務で使われるか」という視点を持つことで、ビジネスと技術の橋渡し役として重宝されます。
データエンジニアが資格を取るメリット


自分のスキルを客観的に証明できる
資格は「第三者基準で一定の知識レベルを満たしていること」を示す証明です。未経験からの転職やデータ領域への職種転換、社内異動・昇進といった場面では、実務経験だけでは伝わりにくい部分を補い、職務経歴書や面談時の説得力を高めてくれます。
特にデータエンジニアのように業務範囲が広い職種では、基礎知識を網羅していることの裏付けとして有効です。
体系的に知識を身につけられる
現場経験だけに頼ると、担当業務の範囲に知識が偏り、「知っているところだけ対応できる」状態になりがちです。
資格学習を通じて、プログラミング、データベース、セキュリティ、ETL、データモデル設計などを体系立てて学ぶことで、データ基盤を部分ではなく“全体像”として理解できるようになります。



土台があることで、新しい技術やツールにも対応しやすくなります。
金銭的メリットが得られる場合もある
企業によっては、資格手当や受験料補助、合格時の報奨金などの制度が用意されていることもあります。
また、実務と親和性の高い資格ほど、評価や単価アップ、アサイン案件の幅拡大につながりやすい傾向があります。
直接的な報酬だけでなく、中長期的なキャリアアップにつながる点も、資格取得の大きなメリットです。
データエンジニアにおすすめの資格10選
基本情報技術者試験


独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が実施する、ITエンジニアの登竜門的な国家試験です。アルゴリズム、ネットワーク、データベース、セキュリティなど、ITの基礎を広く問われます。
「ITの土台を固めたい」「未経験からエンジニア職に入りたい」人にとって、学習の軸になりやすい資格です。
ORACLE MASTER Bronze


Oracle Databaseの基礎知識を問う入門レベルの資格です。
- SQLの基本構文
- データベースの基礎概念
- Oracle DBの基本操作
「Oracle案件に初めて関わる人」
「RDBの基礎を体系的に押さえたい人」
に向いています。
データエンジニアとしては、「DBの基本は理解している」**という最低限の土台を示す資格です。
Python 3 エンジニア認定基礎試験


Pythonの文法・基本構文を中心に問われる、初心者向けの認定資格です。
- 変数・条件分岐・ループ
- 関数・例外処理
- 基本文法の理解
「Pythonを使える」と客観的に示したい人や、データエンジニアへの入り口としてPythonを学びたい人に向いています。
Excel VBA ベーシック
ExcelVBAエキスパート ベーシックは、ExcelマクロやVBAの基礎知識を問う入門レベルの資格です。変数や条件分岐、繰り返し処理など基本文法が中心で、実務経験がなくても学習すれば十分合格を狙えます。
Excel業務の自動化に興味がある人や、業務改善スキルを客観的に証明したい人に向いた資格です。
統計検定 3級
統計の基礎的な考え方を問う入門レベルの資格です。
- 平均・分散・標準偏差
- 確率の基本
- 統計用語の理解
「統計に苦手意識がある」「データエンジニアとして最低限の統計素養を身につけたい」
人に向いています。
まずは「数字やデータを見ることに慣れる」という意味合いが強い資格です。
G検定
G検定(ジェネラリスト検定)は、日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施する、AI・ディープラーニングに関する基礎知識を問う資格試験です。
数式や実装よりも、AIの仕組みや活用事例、法律・倫理、ビジネスでの使われ方などの理解が重視されます。エンジニアだけでなく、企画職やデータ活用に関わる非技術者にも適した資格です。
AWS Certified Cloud Practitioner


AWSの基礎概念を広く理解していることを証明する入門資格です。
- クラウドの基本概念
- AWS主要サービスの役割
- セキュリティ・料金体系
「クラウド未経験だが、データエンジニアとして基礎は押さえたい」人におすすめです。
UMTP(L1)
UMTP(L1)は、UML(Unified Modeling Language)を使って高度な設計ができるかどうかではなく、「UMLの基本的な考え方や図の意味を理解しているか」を確認する入門レベルの試験です。
クラス図やシーケンス図など、代表的なUML図の役割や記号を理解していれば対応でき、実務で設計書を書いた経験がなくても合格を目指せます。
暗記要素が多く、短期間の学習でも取り組みやすいため、未経験者や若手エンジニアの基礎知識証明として使われることが多い資格です。
LPIC-1
LPIC-1(101試験・102試験)はLinux資格の入門〜初級レベルに位置づけられており、Linuxの基本操作や基礎知識が中心に出題されます。ファイル操作、ユーザー管理、簡単なコマンド操作などが理解できていれば対応可能で、サーバ設計や高度なインフラ構築の知識は求められません。
実務未経験からでも学習すれば十分合格を狙えるため、インフラ系・データ基盤系エンジニアの入口資格として評価されやすいのが特徴です。
Tableau Desktop Specialist


Tableauの入門レベルの認定資格です。
- Tableauの基本操作
- グラフ・ダッシュボード作成の基礎
- データ接続・簡単な加工
「Tableauに触れたことがある」「基礎理解を証明したい」人向けの資格です。
データエンジニア視点では、「BIツールの基本は分かっている」という補助的なアピールになります。
データエンジニアの資格に向けた勉強法


プログラミングスクールでプロから学ぶ
最短でスキルを身につけたい人にはスクール活用も選択肢です。
- 現役エンジニアに質問できる
- カリキュラムが体系的
- つまずきを早期に解消できる
未経験者や、独学で挫折した経験がある人と相性が良い学習方法です。
ツール・教材を活用して独学する
コストを抑えたいなら独学でも十分狙えます。最近は教材が充実しており、
- 書籍
- オンライン講座
- 動画教材
- 模擬試験サイト
などで学習環境が整っています。実務経験がある人は、現場で触れている技術と結びつけて学ぶと効率が上がります。
資格取得で押さえたい3つのポイント


期限と目標を決めて学習する
「いつまでに」「どの資格を」「どれくらいの量で」合格を目指すか、ざっくりで良いので計画を立てましょう。
キャリアの方向性(クラウド寄り/DB寄り/運用寄り)と紐づけると継続しやすくなります。
受験する資格は絞り込む
複数資格に手を出すと、中途半端になりやすいです。まずは現状と業務に近い資格を1つ選び、そこに集中するのがおすすめです。
コミュニティや勉強会を活用する
SNSや勉強会を使うと、教材・勉強法の情報交換や合格体験談が得られます。停滞しそうなときのペースメーカーにもなります。
データエンジニアの代表的なキャリアパス


データサイエンティストを目指す
統計や機械学習を深め、分析や意思決定支援の領域へ広げる道です。
プロマネ/アーキテクトを目指す
基盤の知見を活かして、要件定義・設計・推進側へ進む道です。システムアーキテクト試験やITサービスマネージャ試験は後押しになります。
AIエンジニアを目指す
データパイプラインはAIの学習・推論基盤と直結するため、親和性が高い領域です。MLOpsや監視・運用まで視野を広げるとスムーズです。
活躍したいなら資格取得も視野に


データエンジニアは、企業のデータ活用を支える重要なポジションであり、今後も需要が高まり続ける職種です。
資格は必須ではありませんが、
- スキルを客観的に証明できる
- 体系的に知識を身につけられる
- 転職・年収アップのアピール材料になる
といったメリットがあるため、キャリアのステージに合わせて活用する価値があります。
また、成長を早めたいなら環境選びも重要です。データ活用に力を入れている企業・チームに身を置くことで、実務と学習が噛み合い、伸びが加速します。
資格をうまく使いながら、データエンジニアとしての市場価値を高め、キャリアの選択肢を広げていきましょう。






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