MENU

データエンジニアのロードマップ!キャリアアップ戦略と実務のリアル

「データエンジニアのキャリア戦略が知りたい?」
「未経験からのロードマップってどんな感じ?」

近年、企業のデジタル化が進むにつれて「データエンジニア」の需要は急速に高まっています。


しかし、エンジニアの中でも役割が広く、未経験の人にはイメージしづらい職種でもあります。

そこでこの記事では、データエンジニアのロードマップをわかりやすく解説します。

さらに、未経験から実務1〜3年の成長戦略、単価の相場、そしてETLや基幹システム連携といった実務のリアルまで、データエンジニアを目指すうえで知っておきたいポイントをまとめて紹介します。


目次

データエンジニアとは?

データエンジニアは、企業に散らばるデータを 集めて、整えて、使える形にする ことを専門とするエンジニアです。

販売データや顧客情報、勤怠、売上などは、システムごとに形式も仕様もバラバラで、そのままでは分析にもAIにも使えません。

そこでデータエンジニアが、データを収集し、加工し、DWHや分析基盤に流し込み、ビジネスで使える状態へ仕上げていきます。

データエンジニアは企業が「データを活用できる状態」にする交通整備屋さん、と考えるとわかりやすいです。

具体的な役割

  • データパイプライン(データの流れ)の構築
  • データベース設計・メンテナンス
  • データ連携(ETL/ELT)
  • BIツールや分析基盤へのデータ提供
  • バッチ処理・スケジューラ管理
  • データ品質の担保

DXが進む現代では「データを使えない状態」から「使える状態」へ移行する役割が必須となり、データエンジニアの価値はより高まっています。

データエンジニアはなぜ必要なのか

システムはもともと分析用途ではなく、「販売管理」「勤怠」「給与」「会員サイト」など、別々の目的で作られています。

DXだ、データ活用だと言われますが、現場でよくぶつかるのは「まともに使えるデータがない問題」 です。

  • データがそもそも存在しない
  • どこに何があるか整理されていない
  • 欠損・重複・不整合だらけで、まともに使えない

そのため、データを横断して分析できる状態に整えるには、技術的な橋渡し(データ基盤づくり)が必要 です。


データエンジニアと他職種の違い

データ マーケ
スクロールできます
比較対象役割・仕事内容データエンジニアとの違い
バックエンドエンジニアWebアプリの機能を作る(API開発、業務ロジック実装)データエンジニアは「機能」ではなく、データの流れ・変換・連携を設計し、安定稼働させることに集中する
インフラエンジニアサーバー、ネットワーク、OS、コンテナなどシステムが動く基盤を作るデータエンジニアは、サーバー上で動くデータ基盤(ETL、DWH、パイプライン)を設計・運用する
データサイエンティスト統計・機械学習・AIでデータを解析し、モデルやインサイトを作るデータエンジニアは、解析できるようにキレイで扱いやすいデータを用意する(前処理・パイプライン構築など)

バックエンドは機能そのものを作る職種であり、インフラはシステムを動かす土台を整える職種です。それに対してデータエンジニアは、データそのものの流れと構造を設計する仕事 です。

また、データサイエンティストが分析を行うのに対し、その分析に耐えるデータを用意するのがデータエンジニアです。


データエンジニアが扱う技術領域

SQL

データエンジニア SQL

SQLで求められるスキル:

  • 差分管理(更新/削除/新規)
  • 正規化・非正規化の判断
  • 大量データのパフォーマンスチューニング
  • DWH設計(スタースキーマなど)

実務の9割はSQL といっても過言ではありません。

レベルがあがるにつれて、SQLの文法だけではなく実行スピード(パーフォーマンス)やバックアップ処理、リカバリー処理などインフラよりの知識も求められます。


ETL/データ連携

データエンジニア ETL

代表的なETLツール:

  • Informatica
  • Talend
  • AWS Glue
  • BigQuery Dataform
  • DataSpider Servista
  • Azure Data Factory
  • Pentaho

ETLツールは、企業間・システム間のデータ連携を担います。

システムによって文字数が異なる、そもそも対応する項目が存在しないなどの不整合をETLツールを用いて補正します。

「データを吸い上げる → 加工する → DWHへ流す」というデータのパイプライン(流れ)を自動化します。

データエンジニアはSQLが書けて、ETLでパイプラインを組めると一気に市場価値が上がります。


クラウド(GCP / AWS)

データエンジニア クラウド

クラウドの例:

  • BigQuery / Redshift / Snowflake
  • Cloud Composer / StepFunctions
  • GCS / S3
  • Lambda / CloudFunctions
  • Airflow

クラウドは「一度触れば理解が深まる」ため、現場アサインされた後に実務経験で勝手に育つ領域です。


未経験から実務3年までのロードマップ

1年目:データ連携の基礎

  • SQLを使ったデータ加工
  • ETLツールでシンプルなパイプライン構築
  • CSVの前処理・チェック
  • 基幹システムのデータ理解
  • バッチ処理の運用保守
  • データマッピング定義書の読み書き

1年目では、データエンジニアリングの基礎となる「データを正しく扱う力」を身につけることが中心となります。

主な業務は、SQLを使った抽出・加工処理、ETLツールによるシンプルなパイプライン構築、CSVの前処理や項目チェックなどです。

また、基幹システムのデータ構造を理解し、日々のバッチ処理の運用保守に触れることで、データの流れや品質の考え方が身につきます。

特に、1年目の段階でデータ品質に対する意識(NULLチェック・文字種統一・整合性確認)が自然と身につく人は伸びやすい傾向があります。

マッピング定義書を正しく読み書きできるようになることも、この時期の大きな成長点です。


2年目:データ基盤の実務

  • 差分更新/全量更新の設計
  • データモデリング(スタースキーマなど)
  • DWH/データレイク構築
  • ジョブ管理(Airflow/DS Scheduler など)
  • エラー通知・ログ監視
  • 複数部署と連携しての要件定義補助

2年目に入ると、より応用的なデータ処理を担当する機会が増えます。

差分更新・全量更新など方式設計、スタースキーマを用いたデータモデリング、DWH・データレイクの構築といった「基盤側の実務」に踏み込みます。

また、Airflow や DS Scheduler などのジョブ管理ツールでパイプラインの運行設計を行い、エラー通知やログ監視といった運用面も任されるようになります。

要件定義の補助として複数部署と連携したり、データの仕様調整に参加したりと、ビジネス側とのコミュニケーションも重要になります。


3年目:中堅データエンジニア

  • Cloud上で基盤構築をリード
  • 高難度ETL(条件分岐・差分管理の標準化)
  • パイプラインのリファクタ
  • BIレイヤの最適化
  • データ品質管理の仕組み構築
  • 要件定義〜設計〜実装の一気通貫

3年目以降は、クラウド環境での基盤構築や高度なETL処理など、より広い範囲をリードしていく段階です。

条件分岐や差分管理の標準化、パイプラインのリファクタリング、BIレイヤの最適化などを通じて、データ基盤全体の品質と効率を高める役割が期待されます。

また、要件定義〜設計〜実装までの一連のプロセスを一気通貫で担当できるようになれば、いわゆる「中堅〜上級データエンジニア」の位置付けになります。

3年目以降は個人差が大きくなりますが、単価70万円以上が射程圏内に入ります。


データエンジニアリングのライフサイクル


データ収集

まず、分析対象となるデータがどこで生まれているのかを把握します。

代表的なソースとして、自社サービスのDB、Salesforce などの SaaS、外部API・センサーからのデータ、Excel/CSV といった非構造データの4種類があります。

それぞれ管理方法や仕様が異なるため、「バラバラなデータをどうやって揃えるか」が最初の課題となります。


データ加工・統合

運用DB(RDB)はトランザクション処理向け、DWHは大量データの高速分析向けです。近年はDWHの性能向上により、ELT(先にロードしてDWH側でSQL加工) が主流になっています。

加工設計では、
Lake(生データ)→ DWH(再利用可能な整形)→ Mart(用途特化)
という3層構造(+stg層)がよく使われます。

また、パイプラインでは 冪等性(何度実行しても結果が同じ) が重要で、差分更新まで設計できると、中級以上のデータエンジニアと評価されます。


データ活用・分析

整形されたデータは、分析・BI、機械学習向けの学習データ、リバースETL(DWH→SaaSへの戻し)などで活用されます。

スコアリング結果をMAツールに戻して施策に反映するなど、ビジネス価値を生む工程です。


データエンジニアの実務の具体例

実際の現場でよくある仕事(受信したファイルとマスタデータの差分を比較し、差異があるデータに関して警告エラーを出し、メールで報告するインターフェイスの仕様)の一例です。

マッピング定義書の整備

  • 入出力一覧
  • 更新キー
  • 差分処理の方針
  • エラー出力仕様

データ連携の準備では、まず入出力の項目が正しく対応しているかを整理します。CSVに含まれる項目と、連携先のテーブルのカラムをどのように紐付けるかを決め、データ型や桁数、必須項目などの基本仕様を明確にします。

さらに、データを比較するための更新キーを定義し、どの条件で新規や更新と判断するかを最初に決めておきます。

また、異常があった場合にどのようなメッセージを出し、どこへ知らせるのかといったエラー仕様も、この段階でまとめます。

マッピング定義書は後続の処理すべての基準になるため、丁寧に作ることが重要です。

CSVを一時テーブルに格納から加工

  • NULLチェック
  • 文字種(カナ)統一
  • 日付の正規化
  • コード値の変換

受信したCSVはそのまま使わず、一度一時テーブルに取り込みます。取り込んだ後にデータ品質を整えるため、NULLの確認や文字の揺れを直す処理、日付のフォーマットを正しく変換する処理などを行います。

人事関連のデータでは、文字種が混ざっていたり、日付が不正な形式で入っていることがよくあるため、ここで整えることが欠かせません。

また、ファイルだけでは不足する情報が多いため、社員マスタや家族マスタを参照して必要な情報を補完します。

正しく比較できるデータの状態にしてから次の工程へ進みます。

マスタ情報とJOINして不足データを補完

外部システムから送られてくるデータには必要な情報がすべて揃っていないことが多いため、マスタデータを参照して補完します。

社員IDだけが渡される場合は社員マスタを参照して部署や雇用情報を取得し、家族情報であれば家族マスタから続柄や生年月日を取得します。

必要に応じて、配偶者区分や保険区分などの情報も関連マスタから取得して、最終的に連携先が求める形に整えます。

業務知識が必要になる部分であり、データエンジニアの理解度が特に現れる工程です。

差分抽出

  • 新規
  • 更新
  • 削除

整えた今回データと、既に登録されている前回データを比較し、新規なのか、値が変わっている更新なのか、今回データには存在しない削除対象なのかを判定します。

社員IDや家族IDなどのキーを使い、項目のどこかに変化があれば更新とし、前回データだけに存在する場合は削除と判断します。

この差分の判断が正しくできないと、意図しないデータの残り込みや重複が発生してしまうため、慎重な設計が求められます。ここができると一気に実務経験者として評価されやすくなります。

エラーのログ化・メール通知

処理をする中で発生したエラーはすべて記録し、どのデータの何が問題だったのかを明確に残します。

必須項目の欠落や不正値、マスタに存在しないIDなど、あらゆる異常を検知し、ログとともに関係者へメールで通知します。

処理件数やエラー件数などをまとめて送ることで、運用担当者が毎日データの異常に気づける仕組みを作ります。

基幹システムでは特に、異常を確実に知らせる仕組みが重要視されます。


未経験からデータエンジニアになるには?

データエンジニアの必要スキル

  1. SQL(最重要)
  2. ETL/データ連携の経験
  3. クラウド(BigQuery/Redshiftなど)
  4. データモデリング
  5. バッチ・スケジューラ

最優先で習得すべきはSQLです。そのうえで、実際にETLツールを触ってデータを流してみる経験を積むと、データ基盤の全体像が掴みやすくなります。

「SQL × ETL」があれば十分市場に出られます。


まとめ:データエンジニアの未来は明るい

データ活用は今後10年以上伸びていく領域であり、年齢制限も比較的ゆるい分野です。

未経験からでも、1〜2年で市場価値をつけていくことが十分可能で、SQLとETLを軸に成長すれば単価70万〜80万も現実的になります。

「データを扱えるエンジニア」は、これからの時代において確実に強い武器となります。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

人事給与システムのデータ連携を中心にETL設計を担当。大手食品系企業の販売管理システムでは運用保守からSQLのパフォーマンスチューニングまで経験。

コメント

コメントする

目次