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「アナリティクスエンジニアって何?データエンジニアと何が違うの?」
アナリティクスエンジニアとは、DWH(データウェアハウス)に集められたデータを、SQLやdbtで「分析にそのまま使える形」に整えるエンジニアです。
データを集めて基盤に届けるのがデータエンジニア、届いたデータを分析用に整えるのがアナリティクスエンジニア、整ったデータから示唆を出すのがデータアナリスト、という分担で考えると理解しやすくなります。
この記事では、3職種の違いを最初に整理したうえで、仕事内容、必要スキル、年収、求人の見方、なり方、将来性の順に解説します。

データエンジニアは「やめとけ」「つまらない」と言われる5つの理由を解説。汚いデータ整理の現実、評価されにくさ、向いている人と向いていない人の特徴、年収レンジ、データサイエンティスト/アナリストとの違い、キャリアパスまで現役視点で網羅。
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アナリティクスエンジニアとは

一言でいうと「分析用データを作るエンジニア」
アナリティクスエンジニアは、データ分析に必要なデータを設計・加工し、誰が使っても同じ数字が出る分析用データを提供する職種です。
具体的には、DWHに蓄積された生データをSQLで変換し、売上や顧客などの分析用テーブル(データマート)を作ります。dbtのようなデータ変換ツールを使い、変換処理をコードとして管理・テストするのが一般的です。
なぜ必要とされるのか
多くの企業では、データは存在していても分析に使える形になっていません。データが複数のシステムに分散していたり、同じ「売上」でも部門ごとに定義が違ったりして、「どの数字が正しいのかわからない」状態になりがちです。
アナリティクスエンジニアは、指標の定義をそろえ、テストとドキュメントで品質を保ったデータを用意することで、この問題を解決します。
どこから生まれた職種か
アナリティクスエンジニアという職種名は、海外のデータコミュニティを中心に広まりました。BigQueryやSnowflakeなどのクラウドDWHと、dbtの普及によって、「DWHの中でSQLを使ってデータを変換する」仕事が専門職として独立した形です。
日本でも、データ活用を本格的に進める企業を中心に、アナリティクスエンジニアという職種名での募集が見られるようになっています。
データエンジニア・データアナリストとの違い

アナリティクスエンジニアは、データエンジニアとデータアナリストの間に位置する職種です。3職種の違いを表で整理します。

| 職種 | 一言でいうと | 主な仕事 | 主なツール・技術 |
|---|---|---|---|
| データエンジニア | データを集めて基盤に届ける人 | データ収集・ETL/ELTパイプライン構築・基盤運用 | Python / Airflow / Spark / クラウド(AWS・GCPなど) |
| アナリティクスエンジニア | 届いたデータを分析用に整える人 | 指標定義・データモデリング・SQL変換・データ品質管理 | SQL / dbt / BigQuery・Snowflake / Looker・Tableau |
| データアナリスト | 整ったデータから示唆を出す人 | KPI分析・施策効果の検証・レポート作成 | SQL / BIツール / Excel / 統計 |
データの流れで表すと、「データエンジニアが届ける → アナリティクスエンジニアが整える → データアナリストが分析する」となります。
データエンジニアとの違い:基盤を作るか、分析用に整えるか
データエンジニアは、データ収集やパイプラインの構築、基盤の運用など、インフラ寄りの領域を担当します。PythonやAirflowなどを使い、大量のデータを安定して届ける仕組みを作るのが主な役割です。
アナリティクスエンジニアは、その基盤に届いたデータを、ビジネスで使う指標やテーブルの形に整えます。仕事の中心はSQLとデータモデリングで、ビジネス部門とのやり取りが多い点も特徴です。
データアナリストとの違い:データを作るか、データを使うか
データアナリストは、データを分析して意思決定に役立つ示唆を出す役割です。売上トレンドの把握や施策効果の検証など、ビジネス課題をデータで解きます。
アナリティクスエンジニアは、アナリストが毎回同じ加工をしなくて済むように、分析の土台となるデータを作って提供します。
押さえておきたい基本用語
この先の仕事内容やスキルの説明で使う用語を、先に整理しておきます。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| DWH(データウェアハウス) | 分析用に最適化されたデータベース。BigQuery・Snowflake・Redshiftなどが代表的 |
| ELT | データを先にDWHへ読み込み(Extract→Load)、DWHの中で変換(Transform)する手法。アナリティクスエンジニアは主にTを担う |
| dbt | SQLでDWH内のデータを変換・テスト・ドキュメント化するツール。アナリティクスエンジニアの代表的なツール |
| データモデリング | データを分析しやすい構造(テーブル設計)に整理すること。スター・スキーマが代表的 |
| データマート | 特定の分析や部門向けに整えたテーブル群。BIツールが直接参照することが多い |
| BIツール | データを可視化するダッシュボードツール。Looker・Tableau・Power BIなど |
アナリティクスエンジニアの仕事内容
アナリティクスエンジニアの仕事は、大きく次の5つに分けられます。要件を決め(1)、設計し(2)、実装し(3)、届け(4)、品質を守る(5)という流れです。
1. 要件整理・指標定義
ビジネス部門から「この数字を見たい」「部署ごとに売上の数字が合わない」といった要望を受け、何をどう集計するかを決めます。
たとえば「売上」に返品やキャンセルを含めるかなど、指標の定義を関係者とすり合わせ、全社で同じ定義を使えるようにします。
2. データモデリング

決めた要件をもとに、分析しやすいテーブル構造を設計します。取引などの事実を記録する「ファクトテーブル」と、顧客や商品などの属性を持つ「ディメンションテーブル」に分ける、スター・スキーマが代表的な手法です。
dbtを使う現場では、変換処理を「Staging(生データの整形)→ Intermediate(中間加工)→ Mart(分析用)」のようなレイヤーに分けて管理することがよくあります。
3. SQL・dbtによるデータ変換の実装
設計したモデルを、SQLで実装します。仕事の中心はSQLで、テーブルの結合、集計、重複の除去、日付の整形などを行います。
dbtを使えば、SQLをGitでバージョン管理し、レビューやテスト、ドキュメント生成までまとめて扱えます。変換処理をソフトウェア開発と同じ方法で管理できるのが、アナリティクスエンジニアの仕事の特徴です。
4. BIツール向けのデータ提供
作ったデータマートを、LookerやTableau、Power BIなどのBIツールから使える状態にします。ダッシュボードが速く正確に動くよう、集計の粒度やテーブルの持ち方を調整します。
ビジネス側が「見たいデータを自分で探して加工する」のではなく、「すぐ使える状態でデータがそろっている」環境を作ることが目的です。
5. データ品質管理・ドキュメント整備
データの欠損や重複、想定外の値がないかを自動でチェックする仕組みを作ります。dbtのテスト機能を使えば、「NULLが入ってはいけない列にNULLがないか」「IDが重複していないか」などを、変換のたびに確認できます。
あわせて、各テーブルや列の意味をドキュメントに残し、誰が見ても使い方がわかる状態を保ちます。
アナリティクスエンジニアの必要スキル

必要なスキルは、次の5つに整理できます。上の仕事内容とは、以下の表のように対応しています。
| スキル | 主に使う仕事 | 具体例 |
|---|---|---|
| SQL・データ変換 | 3. 変換の実装 | JOIN、集計、ウィンドウ関数、CTE、DWHごとのSQL方言 |
| データモデリング・DWH設計 | 2. モデリング/4. BI向け提供 | スター・スキーマ、レイヤー設計、集計粒度、パフォーマンス設計 |
| ツール・開発基盤 | 3. 変換の実装/4. BI向け提供 | dbt、クラウドDWH、BIツール、Git、CI/CD |
| データ品質・テスト | 5. 品質管理 | データテスト、監視、ドキュメント整備 |
| ビジネス理解・コミュニケーション | 1. 要件整理 | 要件定義、指標定義のすり合わせ、関係者との調整 |
SQL・データ変換(最重要)
SQLは最も重要なスキルです。SELECT・WHERE・GROUP BY・JOINといった基本に加えて、ウィンドウ関数(ROW_NUMBER・LAG・LEADなど)やCTE(WITH句)を使い、読みやすく保守しやすいSQLを書く力が求められます。
BigQueryやSnowflakeなど、DWHごとのSQL方言や、処理コストを意識した書き方も実務では重要です。
データモデリング・DWH設計
分析しやすく、変更に強いテーブル構造を設計するスキルです。スター・スキーマなどのモデリング手法に加え、どの粒度で集計を持つか、どこまでを共通化するかといった設計判断が求められます。
BIツールから参照されるテーブルでは、表示速度を意識したテーブルの持ち方(事前集計やパーティション分割など)も設計の対象になります。
ツール・開発基盤(dbt・クラウドDWH・BI・Git)
代表的なツールは、変換のdbt、DWHのBigQuery・Snowflake・Redshift、BIのLooker・Tableau・Power BIです。求人では、これらのいずれかの利用経験が条件になっていることが多くあります。
また、SQLをコードとして扱うため、Gitによるバージョン管理やプルリクエストでのレビュー、CI/CDの基礎も身につけておきたいスキルです。
データ品質・テスト
データの正しさを、人の目ではなく仕組みで保証するスキルです。dbtのテストで欠損や重複を検知する、異常があれば通知する、テーブルや列の定義をドキュメントに残す、といった取り組みが含まれます。
ビジネス理解・コミュニケーション
「何のための数字か」を理解し、ビジネス部門と指標の定義をすり合わせる力です。依頼をそのまま実装するのではなく、目的を聞き出して適切なデータの形を提案できると、アナリティクスエンジニアとしての価値が大きく高まります。
アナリティクスエンジニアの年収
アナリティクスエンジニアは比較的新しい職種名のため、職種別の平均年収を示す公的な統計は、確認できた範囲ではまだありません。そこで、実際の公開求人に記載された年収を目安として紹介します。
公開求人に見る年収の例
| 企業・ポジション | 記載されている年収 | 主な条件・使用ツール |
|---|---|---|
| Sansan株式会社(研究開発部門 アナリティクスエンジニア) | 770万円〜1,176万円 | DWH利用経験、BIツール構築経験、SQLによるデータモデリング経験/dbt・BigQuery・Looker など |
| 株式会社NTTデータグループ(アナリティクスエンジニア/CX領域) | 700万円〜1,050万円 | SQLを用いたデータ活用経験、要求の整理力/dbt・CI/CDは歓迎条件 |
ここで紹介した求人は、いずれも経験者向けの募集です。未経験や経験の浅い人向けの募集では、これより低い年収帯から始まることが一般的です。
年収を左右する要素
求人の条件を見ると、年収に影響しやすいのは次のような要素です。
- クラウドDWH(BigQuery・Snowflakeなど)とBIツールの実務経験があるか
- dbtなどを使ったデータモデリングを、設計から担当した経験があるか
- ビジネス部門と要件を整理し、プロジェクトを主導した経験があるか
データエンジニアの年収については、データエンジニアの年収の記事で詳しく解説しています。
アナリティクスエンジニアの求人の見方
求人を探すときのキーワード
アナリティクスエンジニアという職種名は、企業によって使われ方がばらばらです。「アナリティクスエンジニア」だけでなく、「dbt」「データモデリング」「データマート」「BIエンジニア」などのキーワードでも検索すると、同じ内容の仕事を見つけやすくなります。
必須条件・歓迎条件によく出てくるスキル
実際の求人を見ると、必須条件にはSQL、クラウドDWH、BIツールの利用経験が、歓迎条件にはdbt、Looker、CI/CDの経験が挙げられている例が見られます。たとえば株式会社MonotaROのアナリティクスエンジニア求人では、クラウドDWHとBIツールの利用経験が必須、Lookerとdbtの利用・運用経験が歓迎条件として記載されていました(2026年10月時点)。
求人票で確認したいポイント
- 担当範囲:データ基盤の構築まで含むのか、分析用データの整備が中心なのか
- 使用ツール:dbtやクラウドDWHを実際に使っているか、これから導入するのか
- 関わる相手:社内のビジネス部門か、顧客企業か
- チーム体制:データエンジニアやアナリストが別にいるか、一人で幅広く担当するのか
アナリティクスエンジニアになるには

データアナリストから目指す場合
SQLでの集計やビジネス理解はすでに強みになっています。dbtでの開発やGitでのコード管理、データモデリングの考え方を身につけることで、アナリティクスエンジニアに近づけます。
データエンジニアから目指す場合
DWHの運用やSQLの実装経験はそのまま活かせます。指標の定義やビジネス部門との要件整理、BIツール向けのデータ設計など、利用者側に近い仕事の経験を増やすのが近道です。
未経験から目指す場合の学習ステップ
未経験からは、まずデータアナリストやSQLを使う業務で実務経験を積み、そこからアナリティクスエンジニアを目指すのが現実的です。学習は次の順番で進めると効率的です。
- SQL(SELECT・JOIN・集計から、ウィンドウ関数・CTEまで)
- データモデリングの基礎(スター・スキーマ)
- クラウドDWH(BigQueryの無料枠などで触ってみる)
- dbt(モデル・テスト・ドキュメントの作成)
- BIツール(Looker Studioなど無料で使えるものから)
公開データを使って「生データ → dbtで変換 → BIで可視化」までを一通り作り、GitHubに公開しておくと、転職活動でスキルを示す材料になります。
アナリティクスエンジニアの将来性
データ活用を進める企業の増加
データにもとづいて意思決定をしようとする企業が増えるほど、「全社で同じ定義の数字を使える状態」を作る人材が必要になります。大企業だけでなく、スタートアップやSaaS企業でも、アナリティクスエンジニアという職種名での募集が見られます。
AI活用でデータ品質の重要性が高まる
AIや生成AIを業務で使う場面が増えても、入力となるデータの品質が低ければ正しい結果は得られません。指標の定義がそろい、テストで品質が保証されたデータを作るアナリティクスエンジニアの仕事は、AI活用の土台としても重要になっています。
アナリティクスエンジニアに関するよくある質問(FAQ)
アナリティクスエンジニアの年収はどのくらいですか?
職種別の公的な統計は確認できていませんが、2026年10月時点の公開求人では、経験者向けで「700万円〜1,050万円」「770万円〜1,176万円」といった記載がありました。経験やスキル、企業によって大きく変わるため、個別の求人で確認するのが確実です。
dbtはアナリティクスエンジニアに必須ですか?
求人では、dbtが必須条件ではなく歓迎条件として書かれている例も見られます。まずはSQLとデータモデリングの考え方を身につけることが優先で、その後にdbtを学ぶ順番が効率的です。
データエンジニアとアナリティクスエンジニアはどちらが向いていますか?
インフラやシステムの仕組みづくりが好きならデータエンジニア、ビジネス部門と話しながら「使われるデータ」を作るのが好きならアナリティクスエンジニアが向いています。どちらもSQLとDWHの知識は共通するため、片方からもう片方へ移ることも可能です。
未経験からアナリティクスエンジニアになれますか?
公開求人の多くは経験者向けのため、いきなり就くのは簡単ではありません。データアナリストやSQLを使う業務で経験を積み、dbtやクラウドDWHを学びながら目指すのが現実的です。
求人はどうやって探せばいいですか?
「アナリティクスエンジニア」に加えて、「dbt」「データモデリング」「BIエンジニア」などのキーワードでも検索してみてください。職種名が違っても、仕事内容がアナリティクスエンジニアに近い求人が見つかります。
まとめ
アナリティクスエンジニアは、DWHに集められたデータを、SQLやdbtで分析用に整えるエンジニアです。データエンジニアが「届ける」、アナリティクスエンジニアが「整える」、データアナリストが「分析する」という分担で考えると、役割の違いがわかりやすくなります。
必要なスキルは、SQL、データモデリング、ツール・開発基盤、データ品質、ビジネス理解の5つです。まずはSQLとデータモデリングを固め、dbtやクラウドDWHの経験を積み上げていきましょう。
次に読むべき記事
- dbtとは?データ基盤で注目される理由と使い方
- データエンジニアとデータサイエンティストの違い
- データエンジニアのスキルセット完全ガイド
- データエンジニアの年収
- データエンジニアのロードマップ
- データエンジニア向けの資格一覧
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